アルト（ALT）とは、ドイツ語で“古い”を意味する言葉で、ケルンのケルシュと同じく、古来からの製法そのままの上面醗酵ビールとして有名で、ケルシュが「気品あふれる王家のお姫様」なら、アルトは「労働階級から為り上がった庶民派のプリンス」という感じがするビールです。 色は赤褐色。光にかざすとより赤く見えます。食欲を誘うのに十分な辛さもあり、だからと言ってそれほど強くなく、お腹もそんなにいっぱいにならないビールですので、食事中に楽しむには最高のビールです。
そう、ケルシュがビールそのものの味を楽しむものであるのに対し、このアルトは、食事をより美味しく頂くためのビールであると言えるでしょう。
思わず「おー！ビターテイスト」と叫んでしまう美味しさを体験してほしいと思います。

ドイツで日本人が最も多く住んでいる大商業都市・デュッセンドルフの特産ビールとして、人々に昔から愛されているビールが、アルトビールです。 デュッセンドルフの旧市街であるアルシュタットの人たちは、「ビール」と言えば「アルト」のことで、他のビールの事を「イエロー・ウォーター（黄色い水）」と言い受け付けません。
デュッセンドルフは昔から商業都市として知られ、各地方から多くの肉体労働者が集まる街でした。 その体力を養う、ソーセージなどの豚肉料理に良く合うビールを欲しがったわけです。
アルトビールは、伝統の上面酵母を使い、醗酵はやや高めの温度、熟成も0度～8度くらいの低いとは言えない温度で、三週間以上かけて行います。 じっくりゆっくりと、その深い味わいを醸し出すまで待ちます。 田沢湖ビールのアルトも、この製法を忠実に守っています。